おむつ選びのコツとその種類について

オムツ種類
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おむつの変化

介護を取り巻く環境は日々変化しています。昭和から平成初期における高齢者福祉施設は、一般的に人里離れた場所に建てられ、画一的なサービスが行われていました。しかし、2000年に施行された介護保険制度により、『措置から契約』に変わり、これまでの収容を中心とした機能から「生活の場」としての機能に大きく考え方が転換されました。人権意識を高めることになった高齢者福祉の大きな分岐点と言えます。

3大介護のひとつとされる排泄ケアにおいて使用される『おむつ』は大きく分けて「布おむつ」「紙おむつ」に分類されます。現在はほぼ100%に近く、紙おむつが主流となっていますが、20年ほど前の老人ホームでは布おむつの使用が一般的でした。1960年代に紙おむつが登場しておりましたが、医療機関での使用がメインで、介護でのシェアは極めて稀であったそうです。

布おむつの問題点は、その吸収力の低さ、そして衛生的では無いことがあげられます。

またサイズが画一的であるため、ひとりひとりの身体の状態に合致しません。これが招くことは、歩ける、動ける機能が残っているにも関わらず、ベッド上で生活をせざるを得ない「寝たきり」状態を作ってしまうことの要因となっていました。

身体状態に応じたおむつの選定

 当事者・家族の声、介護の専門職のこれまでの経験・知識、そしてこれらの意見を反映し開発に努めたメーカーの努力によって、現代では本人の体や環境・目的に合わせて作られた多種多様なおむつが販売されています。ここでは身体の状態に応じたおむつの選定の参考点を上げてみたいと思います。

パンツタイプ

 歩行が可能な方に適しています。長時間の外出や旅行、散歩(ウォーキング)にも使用いただけます。
介助があればトイレでの排泄が可能な方にも重宝します。このタイプの効果は「行動範囲」を拡げることが可能と出来ることです。

①ウエスト部分に伸縮性がある
②肌触りが良い
③股下がゴワゴワしにくい
④横モレ防止ギャザーがついていて漏れにくい

テープ止めタイプ

便座に座れない方、横になる時間が長い方に適しています。一般の方がイメージする「紙おむつ」がこれにあたります。テープの使用によって固定しやすく、排泄物の漏れを防ぐことが出来ます。またテープタイプは、介助する側にとっても扱いやすく、介助動作をスムーズにする効果があります。

①漏れを防ぐ吸収形態
②お腹・足周りにギャザーがあり漏れにくい
③テープをクロスさせることでよりフィット感が増す
④体にあてやすいデザイン
⑤通気性が良くムレにく

尿とりパッドタイプ

パンツに差し込むパッドになります。パッドだけ交換して節約したい方や、介護の時間を短縮したい方に適しています。「万が一」の失禁を予防するために 使用している方が多いのが特徴です。

①繰り返し吸収しても、表面を弱酸性に保つ
②ずれ止めテープでオムツに固定できる
③両サイドのギャザーが漏れを防ぐ

※ご紹介した製品は、各メーカーにより機能や特徴が異なります。

具体的なおむつの種類

先に上げたパンツタイプ、テープ止めタイプ、尿とりパッドタイプの3点ですが、使用するにあたって以下の特徴を理解して選定することをお勧めします。

●パンツタイプ、テープ止めタイプのおむつは身体状況(体格・歩行状態等)に応じて種類を選べます。
サイズ・色・尿の吸収量がそれぞれ異なります。

●パッドタイプは、男女別や尿量、肌トラブル予防に応じて種類を選ぶことが出来ます。
日中、夜間で使い分けも可能であり、コストも低いことが特徴です。

●一般的なおむつの使用法としては、パンツタイプまたはテープ止めタイプのおむつの内側に
パッドを入れて使用するのが一般的です。

購入や相談の方法

 それでは、こうしたおむつを購入する場合、どのような選択肢があるでしょうか。7割近くの人が、おむつを購入する前に誰かに相談しているというデータがあります。

家族や施設の職員、病院の看護師、ドラッグストアの店員が相談相手になるそうです。 特に特徴的なのは購入される6割以上の人が、販売店で店員に確認していること。店頭で購入するメリットとしては、困った時にすぐに手に入ることの他に、こうして直接相談できることが上げられます。店舗によってはセールなどで安く購入することもできます。

 現代では、これら介護用品、おむつに関してもインターネットで購入することも可能です。わざわざ店に行かなくても自宅まで届けてくれる利便性、またいろいろなメーカーの値段や特徴を自宅で見比べることも出来るわけです。

 使用する本人に合ったおむつを選択することで、本人自身も楽になり、介護の負担も減らすこともでき、自立支援に繋げられることも期待できます。

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