【画像で解説】プロが教える高齢者の“おむつ交換方法”

オムツ交換
目次

おむつ交換の留意点

「3大介護」のひとつと言われる排泄介助。その中でもおむつ交換は、適切に実施しないと悪臭の発生や皮膚トラブルの原因となります。

しかし、排泄介護は介護を受ける側・する側にとっても精神的負担が伴う行為とされています。相手の「自尊心」に配慮することは勿論ですが、丁寧且つ短時間でおむつ交換を行えるようになれば、お互いに楽になるはずです。

最初は当然抵抗感がありますが、経験を重ねることで慣れていきますし、信頼関係も強くなっていきます。その関係性がしっかり構築されれば、おむつ交換もよりしやすくなっていきます。

おむつ交換の準備と環境

介護に限らず、どのような作業を行うにおいても「準備」がとても大事です。しっかりと用意しておくことで、おむつ交換もスムーズにすることが可能となります。

1)必要な物品を用意

物品の例 
・使い捨て手袋         ・トイレットペーパー
・陰部清拭用の使い捨てウェス  ・新聞紙、ビニール袋
・手洗用石鹸          ・手指消毒液
・ペーパータオル        ・おむつ、パッド

2)環境の設定

おむつ交換は、中腰になるため介助する側の「腰」に大きな負担を与えます。これが悪化すると腰痛になる可能性もありますし、作業効率も下がります。

おむつ交換の動作をスムーズにするには「介護用ベッド」を導入することをお勧めします。ベッドの高さを調整することで無理な姿勢を防ぐことができます。

使用済みのおむつは非衛生的な物なのでベッド上には置かず、あらかじめ床に新聞紙を敷き、その上にビニール袋を置いておきます。その中に入れるようにしましょう。

使用する物品を手の届きやすいところに配置すれば、格段に作業効率が上がります。
おむつ交換は心身の負担が大きいですが、排泄物の色や臭いによっても、体調変化を知ることができます。また皮膚を直接 見ることもできますので、いつもと違う変化が無いか確認することができます。これらに留意して実施すると良いでしょう。

【画像で解説】おむつ交換の手順(ベッド上/全介助で行う方法)

①おむつを外して横向きにする。


②陰部・臀部を清潔にする。
(使い捨てウェス、タオル等)

③横向きのまま汚れたおむつを内側に丸め、臀部の下に巻き込む。

④新しいおむつの片方を内側に丸めて、汚れたおむつの下に差し込む。

⑤汚れたおむつを外して新しいおむつを広げ、仰向けに戻る

⑥鼠径部に合わせてパッドをあてる


※汚れたおむつは直接床やベッドの上に置かず、新聞紙等を敷き、その上にビニール袋を置いて、その中に入れるようにしましょう。

⑦パッド同様、鼠径部に合わせておむつをあてる。

在宅介護における、おむつ交換の工夫

施設での介護と違い、在宅での介護は環境が大きく違います。介護施設はバリアフリーで設備の整っている環境であるばかりでなく、介助を行う人間も技術を有した専門職です。

在宅介護は、その担い手の約7割が「家族」もしくは「親族」と言われています。特に生理的欲求である排泄の介助は「待った無し」の作業であるため、「家族・親族」がその殆どに対応する必要があるのです。

おむつ交換で多く発生するトラブルは「漏れ」。尿や便が漏れてしまうと着替えや洗濯などの手間が増え、労力をさらに必要とします。手間が増えるだけでなく、皮膚トラブルを引き起こす要因ともなってしまいます。

そして悩みの大きな要因として「臭い」の存在があります。これは介護する側、される側の双方にとっても不快の原因となってしまいます。これらを防ぐには、適切におむつを当てることは勿論、介護用の「防水シーツ」を使用したり、尿や便が付着したおむつを包む「防臭ビニール袋」を活用することも有効です。

負担を減らす方法

おむつの交換は、1日に何度も行う必要があるため負担が大きい介助です。赤ちゃんと違って大人の体の向きを変える必要があるので体力も必要となります。また夜間のおむつ交換は、介護者が十分な睡眠を取ることも出来なくなり、体調を崩す要因にもなっています。こうした負担を少しでも減らすにはどうしたら良いのでしょう。

要介護者の状態に合った、おむつやパットの選択が重要となります。ひとりひとり体の大きさも違いますし、尿や便の量も異なります。最近では吸収力の高い長時間対応型の製品も開発されていますので、様々試してみるのも良いでしょう。

排便のコントロールも有効です。日中に排便の対応ができた方が介護者にとっての負担軽減になり、睡眠の確保にも繋がります。かかりつけ医に相談し、浣腸や整腸薬の活用、検討も選択肢のひとつかと思われます。

こうした方法を行っても、負担が大きくて対応しきれない場合は、介護に関する様々なサービスの活用がお勧めです。自宅に来て、排泄や着替えなどの介助を行ってくれる「訪問介護」など、介護保険には負担となることをサポートしてくれるサービスが存在しています。おむつ交換に限らず、在宅介護でお悩みの場合はお近くにある「地域包括支援センター」や「居宅介護支援事業所」に相談をしてみてください。

【当法人が仙台市より委託を受けている地域包括支援センター】

南吉成地域包括支援センター
〒989-3204 仙台市青葉区南吉成7-14-1
Tel:022-719-5733(Fax兼)
E-mail:m.houkatsu@oishigaharakai.or.jp

【当法人が運営する居宅介護支援事業所】

大石原苑介護支援センター
〒989-3204 仙台市青葉区南吉成7-14-1
Tel:022-303-3077(Fax兼)
E-mail:o.kaigosiencenter@oishigaharakai.or.jp

泉ふるさと村居宅介護支援センター
〒989-3204 仙台市泉区松森字岡本前27
Tel:022-771-8085 Fax:022-773-1058

目次
閉じる