高齢者の夜間頻尿について解説します!気になる改善方法もご紹介!

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夜間頻尿とは

夜間頻尿とは、「夜間に排尿のために1回以上起きる必要があり、それにより生活に支障を感じている状態」を言います。お歳を召すと、トイレに行く回数が増えるとよく聞きます。特に夜間が顕著で何回もトイレに起きてしまい、よく眠れないという相談を多く受けます。

夜間頻尿になると尿意で目が覚めやすくなって寝不足となり、疲れが取れなかったり、日中ぼんやりしてしまったりして、生活の質の低下を招いてしまいます。睡眠の質は生活の質に直結すると言っても過言ではないでしょう。

高齢者にとって、足元がふらつきやすい夜の排泄行為は事故の発生リスクを高め、要介護状態になる原因にもなりかねません。ここでは「夜間頻尿」とはいったい何が原因なのか?改善する方法はあるのかを紹介します。夜間頻尿で悩んでいらっしゃる方々の生活の質の向上につながると幸いです。

症状

頻尿の自覚症状を訴える方の割合は性別問わず加齢とともに増加しています。
厚生労働省が令和元年に行った「国民生活基礎調査」では、40代以上で394万人の方が頻尿の症状を訴えているという興味深いデータがありました。また、日本排尿機能学会の調査では男女ともご高齢になるにつれ夜1回はトイレに起きる割合が高くなり、80歳以上にもなるすと2人に1人が3回以上トイレに起きてしまうという調査結果が出ています。

日中の頻尿は8回以上とされており、一見夜間との回数に隔たりがあるように感じますが、活動を休止している睡眠時と考えれば、この回数の差は当然と言えるでしょう。
夜間、トイレのために起きる回数が1回の場合は、治療の対象にならないことがほとんどでです。しかし、起きる回数が複数回になると、睡眠の妨げとなり生活の質の低下を招くことが多いため治療の対象となることが多いようです。

原因

夜間頻尿の大きな原因として加齢があげられますが、その他に過剰な水分の摂取、塩分やカリウムの多い偏った食事などの生活習慣を起因とするものがあります。また前立腺肥大症、過活動膀胱、骨盤臓器脱、睡眠障害、循環器系疾患、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)などの病気も頻尿を引き起こすとされています。

夜間頻尿を改善するには

夜間の頻尿によって、睡眠不足となり既に日常の生活に支障が出ているようであれば医療機関での診察を受けることをお勧めします。頻尿は病気ではなく、あくまで「症状」であるので医師の診察を受けることで何かしらの原因疾患が判明し、早期治療に繋がることも期待できます。

生活習慣の見直しも大切です。寝る前に水分を摂りすぎないようにしましょう。アルコールには強い利尿作用があるので、飲酒の習慣がある方は、それも踏まえたお酒の摂り方を心がけてみましょう。

塩分量が多いと喉が渇きやすくなり、自然と水分を過剰に摂ってしまいます。塩分の摂りすぎは肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の原因にもなりますので、「もしかして夜間頻尿かな?」と感じたら、これを機に改めて日々の生活全体を見直して健康に繋げていくきっかけとされるのがよろしいでしょう。

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