【COPD】高齢者の息切れ・せきは年のせい?見逃しやすい症状

「坂道や階段で、すぐに立ち止まるようになった」「朝になると、せきやたんが出ている」。親のこうした様子を、年齢のせいだと思って見過ごしていませんか?
その息切れやせきの背景に、COPD(シーオーピーディー)という肺の病気が隠れていることがあります。
この記事では、COPDの基本と見逃しやすい症状、ご家族が日常生活で気をつけたいことについてご紹介します。

目次

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?

COPDは「慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)」の略称です。かつて「慢性気管支炎」や「肺気腫」と呼ばれていた病気をまとめた呼び名で、肺や気管支に長く炎症が続き、息を吐き出しにくくなる病気です。

主な原因は、長年の喫煙とされています。たばこの煙などの有害な物質を長い間吸い込むことで、空気の通り道や、酸素を取り込む肺の組織が少しずつ傷んでいきます。ご本人が吸っていなくても、周りの人のたばこの煙を長く吸ってきた場合なども関係すると言われています。

COPDはゆっくり進む病気で、一度傷んだ肺は元に戻りにくいとされています。そのため、早めに気づいて医療機関につなぎ、進行をゆるやかにするための治療や生活の工夫を続けていくことが大切です。

参考:COPD(慢性閉塞性肺疾患)|スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省)

見逃しやすいCOPDの症状

COPDの症状は、「年をとったから体力が落ちた」と思われやすいものばかりです。次のような様子がないか、日頃の動作の中で見てみましょう。

【息切れ・呼吸の変化】

  • 階段や坂道、少し早足で歩いたときに息が切れる
  • 同年代の人と同じペースで歩けなくなった
  • 着替えや入浴など、日常の動作で息が上がる
  • 呼吸のときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする

【せき・たん・暮らしの変化】

  • 風邪でもないのに、せきやたんが長く続いている
  • 息切れを避けるために、外出や動くことを控えるようになった
  • 食事の量が減り、痩せてきた

息切れを避けて動かなくなると、筋力や体力が落ち、さらに息が切れやすくなる……という悪循環につながることがあります。「動かなくなった」こと自体も、ご家族が気づきたい大切なサインです。

受診の目安は?気になったら医療機関へ

息切れやせきの原因は、COPD以外にもさまざまです。原因を確かめ、どんな治療が必要かを判断するのは医療機関です。特に喫煙歴がある方で上のような様子が見られる場合は、かかりつけ医や呼吸器内科に相談してみましょう。

また、すでにCOPDと診断されている方で、いつもより息苦しさが強い、たんの量や色が変わった、熱がある、唇や爪の色が悪いといった様子があるときは、様子を見すぎずに早めに医療機関へ連絡してください。風邪などをきっかけに、症状が急に悪くなることがあります。

日常生活で気をつけたいこと

COPDと付き合いながら暮らしていくうえで、ご家族が一緒に意識できることがあります。治療の内容は医師の指示に従ったうえで、次のような点に気を配ってみてください。

  • たばこの煙を避ける:禁煙は医療機関のサポートも受けられます。ご家族の喫煙も含め、煙の少ない環境を整えましょう。
  • 感染症に気をつける:手洗いやうがい、口の中を清潔に保つことを習慣に。予防接種については、かかりつけ医に相談しましょう。
  • 無理のない範囲で体を動かす:息切れが怖くて動かないままにせず、医師やリハビリの専門職と相談しながら、続けられる運動を。
  • 食事をしっかりとる:息苦しさで食が細くなりがちです。一度に食べきれない場合は、回数を分けるなどの工夫を。
  • 在宅酸素を使っている場合は火気に注意:ガスコンロやストーブ、たばこなどの火に近づかないよう、ご家族も気を配りましょう。

COPDの方は、肺炎などの呼吸器の感染症に気をつけたいところです。肺炎については「肺炎とはどんな病気?気になる症状や特徴について解説します!」、冬の感染症対策は「「高齢者がかかりやすい冬の感染症」予防や対策はできるの?」、お口の清潔を保つ方法は「口腔ケアの必要性とは?口腔ケアの手順もご紹介します!」もあわせてご覧ください。体を動かす習慣づくりのヒントは「介護予防とは?要介護状態にならない方法を具体的に解説します!」でもご紹介しています。

まとめ/「年のせい」で片づけないことが大切

COPDの息切れやせきは、年齢による衰えと見分けがつきにくく、気づいたときには日常生活に影響が出ていることもあります。「前より動けなくなった」「せきが続いている」と感じたら、ひとりで判断せず医療機関に相談することが大切です。

一方で、息苦しさを抱える親の毎日は、ご家族の手を思った以上に必要とします。着替えや入浴だけで息が上がることもあり、入浴のたびにそばで見守る。通院の日は、坂道で何度も立ち止まる親に合わせて付き添う。「お風呂を手伝ってもらえるサービスはあるのか」「通院や買い物の付き添いを誰かに頼めないか」と感じたら、それは介護の相談窓口に話してみるタイミングです。

入浴や外出の付き添いのこと、誰に相談すればいいか迷ったら
社会福祉法人大石ケ原会の「大石原苑介護支援センター・南吉成地域包括支援センター」(仙台市青葉区)では、ご家族からの介護の困りごとのご相談をお受けしています。体の状態やご希望に合う介護サービスのご提案も行っています。要介護認定をどう申請すればよいかといったことも、ご相談いただけます。
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