【画像解説】ベッド上での更衣介助の手順は?


今回はベッド上で過ごす方への更衣介助を紹介したいと思います。
体調を崩したり、怪我をしてしまったり、加齢等による寝たきりになったり、その原因は様々ですが、一日の大半をベッド上で過ごさざるを得ない状況の場合、排泄や食事、入浴と同様に更衣の介助も技術を必要とします。特に関節が固くなって手足を動かすのが難しい方、脳梗塞などで麻痺のある方の介助は痛みを伴うことも多いので、在宅で介護をされている方にとっても大きな悩みのひとつかと思います。
今回取り上げる更衣介助は、「ベッド上での生活」に焦点を当て、お一人おひとりの状態や環境に合わせた介助の在り方についてご紹介いたします。

目次

ベッド上での更衣介助の方法

【寝た状態でズボンを着替える方法】

  1. ズボンを脱ぎます。臀部(おしり)の左右に手を入れ腰を浮かせると、横を向かなくてもズボンを下すことができます。
  1. 利用者のズボンを足元まで下ろしてまとめると簡単に脱ぐことができます。
  1. 次にズボンを履きます。ここで大事なのは着替え用のズボンを「蛇腹折り」にして足に通すことです。片足ずつ、かかとを支えながら膝上までズボンを上げていきます。
  1. 両膝までズボンが入ったら、可能であれば相手に腰を上げてもらいましょう。腰が浮いている間にズボンをお尻まで上げていきます。腰を上げることが難しい場合は、一度横を向いてもらってズボンを上げていきます。

【寝た状態でシャツを着替える方法】

  1. シャツのボタンを外しておきます。状態を少し上げ、肩の部分を肩甲骨付近まで下ろし、片方の肘を抜きます。
  1. 肘を抜いた側と逆側の方向に横を向いてもらい、脱いだ衣類を体の下へ織り込んでいきます。その後、仰向けになり少し体を浮かせるとシャツを脱ぐことができます。
  1. 次にシャツを着せていきます。袖はズボンと同じように「蛇腹折り」にし、手を包み込むように支えながら腕を通していきます。
  1. 片腕が通ったら横を向いてもらいます。横を向いたらシャツの中心を背骨に合わせ真っすぐになるように整えます。この時にシャツの片半分を体の下に入れておきます。
  1. 反対側に横向きになってもらいます。先ほど体の下に入れた片半分のシャツを引き出し、反対側の腕を通していきます。先ほどと同じように袖は「蛇腹折り」にして手を包み込むように支えるとスムーズに通せます。
  1. 両腕が通ったら仰向けになってもらい、ボタンを留めます。

ベッド上での更衣における注意点

横になっている方の更衣介助を行う際に注意すべき点がいくつかあります。可能な限り負担をかけないように気を付けることとして以下の3点を紹介します。

①転倒や転落に気を付ける

服を脱がせたり、着せたりする際に何回か体を横にする必要があります。その時にベッドから転落や転倒をさせてしまうリスクがあります。まずは安定した姿勢を整えることが大切です。

②室内の温度を適温にする

更衣は、薄着や裸になるので特に冬の時期は注意が必要です。あらかじめ室温をエアコン等で適温に調整してください。タオルケットや毛布などをかけて、なるべく体を冷やさないようにすることもポイントになります。急激な気温の変化はヒートショックを引き起こす可能性もあるので配慮が必要です。

③過剰な介助は避ける

本人が出来ることまで介助してしまうと、残存機能まで失わせてしまうリスクがあります。介助とは「できない部分を手助けする」行為です。腕を伸ばしたり、ボタンを外したり、少しでも体を動かせる方ならば、お声をかけて自分で行って頂くことも大切なポイントです。

おわりに

ベッド上で過ごされている方は、思うように自分で動くことができません。この様な状態になると、骨がもろくなるので骨折しやすくなります。また痛みや苦痛を訴えることが難しい人も珍しくありません。

今回はベッド上での更衣介助の「技術」を中心にご紹介をしましたが、伸縮性のある生地でできた衣類や、前開きのシャツなど介助しやすい衣類を用意することも安全な更衣介助に繋がると思います。こうした衣類の選択や工夫も加えていくことで、より楽で気持ちにも余裕が出ることが期待できます。

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