【社会福祉士の役割】介護とお金・制度の悩みを相談できる専門職

社会福祉士が家族の相談に応じている様子

久しぶりに実家に帰ると、電話台の横に、封を切っていない役所からの封筒が何通も重ねてあった。父に聞くと「難しくてよく分からないから」と言う。介護保険のこと、これからかかるお金のこと、通帳の管理のこと――。気になることはたくさんあるのに、どこに聞けばいいのかが分からない。
そんなとき、相談相手として知っておきたいのが「社会福祉士」です。
この記事では、社会福祉士の役割と、介護にまつわるお金や制度の悩みをどう相談すればよいかをご紹介します。

目次

社会福祉士とは?

社会福祉士は、法律(社会福祉士及び介護福祉士法)で定められた福祉の相談の国家資格です。法律では、専門的な知識と技術をもって、心や体の障害、または環境上の理由によって日常生活に支障がある方の福祉に関する相談に応じ、助言や指導、福祉サービスを提供する人や医師などの関係者との連絡・調整、その他の援助を行うことを仕事とする人、とされています。

わかりやすく言えば、困りごとを一緒に整理し、使える制度やサービス、相談先へつなぐ専門職です。登録を受けた人だけが「社会福祉士」と名乗ることができます。

参考:社会福祉士及び介護福祉士法(e-Gov法令検索・デジタル庁)

社会福祉士にはどこで出会えるの?

社会福祉士は、さまざまな場所で働いています。介護のことで出会うことが多いのは、たとえば次のような場所です。

  • 地域包括支援センター:高齢の方の暮らしの総合相談の窓口。国の決まりで、原則として社会福祉士などの専門職を置くことになっています
  • 病院の相談室:入院や退院、医療費などの相談を受ける相談員として働いていることがあります
  • 高齢者施設:入所の相談や、施設と家族の窓口になる生活相談員として働いていることがあります
  • 社会福祉協議会など:地域の福祉の相談窓口で働いていることがあります

地域包括支援センターの仕事については「地域包括支援センターとは?どんな仕事をしているのかご紹介!」、施設の相談の窓口については「高齢者施設における生活相談員とは?」で詳しく紹介しています。

参考:介護保険法施行規則(e-Gov法令検索・デジタル庁)

社会福祉士に相談できること

介護にかかるお金のこと

介護保険の自己負担、施設の費用、毎月の年金でやりくりできるのか――。介護のお金には、条件に合えば負担が軽くなる制度もあります。どの制度が親に当てはまりそうか、どこで手続きをするのかを、一緒に整理してもらうことができます。制度の概要は「『高額介護サービス費』って何?」や「所得に応じた『減額制度』の賢い使い方」でもご紹介しています。

親の判断力が心配になったとき

通帳や印鑑の管理が難しくなってきた、契約の内容を理解できているか心配――。そんなときに使える制度として、成年後見制度や日常生活自立支援事業があります。どちらが合うのか、そもそも使う段階なのかを、早めに相談しておくと安心です。

「誰に聞けばいいか分からない」こと、そのもの

介護の悩みは、お金、住まい、医療、家族の仕事と、いくつもが絡み合っています。「何から話せばいいか分からない」という状態のまま相談してよいのが、社会福祉士の大きな特徴です。地域で使える支えについては「社会資源とは?」も参考にしてください。

本当の問題は「お金の話を切り出せない」こと

親の年金や貯金の話は、親子でも切り出しにくいものです。「お金のことを聞いたら、財産を当てにしていると思われるかも」とためらっているうちに、急な入院で慌てて手続きに追われる――。そうした話は珍しくありません。

第三者である相談員が間に入ることで、家族だけでは話しにくいお金の話を、「制度を使うための確認」として落ち着いて進めやすくなることがあります。親との話し合い方については「切り出しにくい『お金』の話し合い方」でもご紹介しています。

相談の前に、手元にあると話が早いもの

  • 介護保険の被保険者証や、役所から届いている通知
  • いま使っているサービスと、毎月かかっているおおよその費用
  • 年金など収入のおおよその額(分かる範囲で)
  • 困っていることを、思いつく順に書き出したメモ

全部そろっていなくても相談はできます。持っていける範囲で大丈夫です。

社会福祉士は「代わりに決める人」ではありません

社会福祉士は、制度や手続きの道筋を一緒に整理し、窓口や専門家へつなぐ役割です。制度が使えるかどうかの最終的な判断は、市区町村などの窓口が行います。また、病気や薬のことは主治医に、法律上の争いごとは弁護士などの専門家に相談することになります。「どこに何を聞けばいいか」の地図をつくってもらう、と考えると、相談の目的がはっきりします。

まとめ/お金と制度の悩みは、早めに「誰か」と分け合う

社会福祉士は、介護にまつわるお金や制度、権利を守る仕組みなどについて相談に応じ、使える支えにつなぐ国家資格を持つ専門職です。困りごとが大きくなる前に、「何から始めればいいか」を一緒に整理してもらうことが、家族の負担を軽くする第一歩になります。

封の切られていない通知、増えていく費用、親の物忘れ。ひとつひとつは小さくても、重なると「自分ひとりではもう整理できない」と感じてしまいます。そうなる前に、介護のことを話せる窓口をひとつ持っておきませんか。

介護のお金や制度のこと、どこから手をつければいいか迷ったら
社会福祉法人大石ケ原会の「大石原苑介護支援センター・南吉成地域包括支援センター」(仙台市青葉区)では、ご家族からの介護の困りごとのご相談をお受けしています。どんな介護サービスがあるのか、何から整理すればいいのかを、届いている通知やメモを手元に置きながら一緒に確認できます。

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