超高齢化社会を迎えて、認知症は広く知られるようになりました。誰しもが関わる可能性のある身近な病気と認識されるようになり、現在では認知症になったとしても住み慣れた地域で生活を送れるよう支援する地域包括ケアシステムが推進されています。
少し時代を遡ると、認知症を取り巻く環境は課題だらけでした。
「危機が生じてから医療につながる事後対応が多い」「早期対応できないために、症状が悪化してしまうことが多い」などが課題として挙げられていました。このような課題から設置されたのが認知症初期集中支援チームです。
認知症初期集中支援チームをご存知ですか?
今日は認知症初期集中支援チームについて触れたいと思います。
認知症初期集中支援チームとは?
「認知症初期集中支援チーム」とは、認知症の方とその家族を支援する専門家によるチームであり、その名の通り、初期支援を集中的に行うことが大きな役割です。
「初期」は症状の初期段階よりも、「初動(ファーストタッチ)」を指しており、なるべく早いうちに包括的な支援が提供できるように設置されました。
また、「集中」は「概ね6ヶ月」集中的に支援を行うことを目安としています。その後は、適切な医療や介護等のサービスにつなげることで、自立した生活のサポートを行う役割を担っています。
こんなこと、ありませんか? そんなときに相談できます
「最近物忘れがひどくなってきたような気がする」
「言動を見ていると認知症のような気がするけど、本人が病院に行くのを嫌がってしまう」
こうした心配を抱えている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ここですぐに医療機関の受診につながればいいのですが、本人が嫌がってしまってどんどん先延ばしになってしまう・・・
そうしている間に、症状が悪化してしまう・・・
このような状態が、前述した「危機が生じてから医療機関につながる」という課題に直結しています。
そこで登場するのが認知症初期集中支援チームです。
このような悩みに対して、認知症に関する医療や介護の専門職が自宅を訪問し本人や家族の状況や困りごとを聞いて、一緒に解決策を考えるなど、集中的に支援します。
チーム員を構成する専門職
初期段階の対応が、その後の生活へ大きな影響を与えます。よって高度な医療と介護の知識を持って対応することが求められています。そこで、チームは以下の専門職で構成されています。
医師・保健師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士・介護福祉士
などの医療・介護の専門家
支援の対象となる方
自宅で生活する40歳以上の方で、認知症が疑われ、以下のいずれかに該当している方が支援の対象となります。
- 認知症の診断や治療を受けていない方
- 必要な介護サービスを利用されていない方
- 認知症と診断されているが医療や介護のサービスが中断している方
- 医療・介護のサービスは受けているが、認知症の行動・心理症状が強く、対応に困っている方
どこに相談したらいいの?
認知症初期集中支援チームが配置されている機関は各自治体によって異なりますが、まずはお住まいの地域にある地域包括支援センターにご相談ください。ご本人が嫌がる場合にはご家族だけの相談でも構いません。
早い段階からの治療、生活環境整備がご本人やご家族のサポートに繋がります。また治療や適切なケアによって急激な認知症状の進行を防ぐことも期待できます。
【当法人が仙台市より委託を受けている地域包括支援センター】
〒989-3204仙台市青葉区南吉成7-14-1
Tel:022-719-5733(Fax兼)
E-mail:m.houkatsu@oishigaharakai.or.jp