褥瘡(じょくそう)とは?発生原因や予防方法を徹底解説!

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褥瘡(じょくそう)とは?

「介護している父のお尻が赤くなってきた。もしかして床ずれ?」

「お医者さんに褥瘡の処置を行うように言われたけれど、自分で行う自信が無い」

在宅介護の相談を受けると、このような褥瘡に関する相談をされることが多々あります。自宅で介護を行う中で、褥瘡(床ずれ)で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

褥瘡とは一般的に「床ずれ」と呼ばれており、皮膚の圧迫による血流の低下が原因で起こります。寝たきりなどで同じ姿勢で過ごすことが多い方が、体重で圧迫されている部分の皮膚に赤みやただれ、傷が生じている場合は、まず褥瘡を疑う必要があります。

今回の記事では、褥瘡の原因、予防法、対策の仕方について触れてみたいと思います。

原因

褥瘡が出来てしまう原因はいくつがありますが、その原因が複数重なり合って発生することがほとんどです。それでは原因にはどのようなものがあるのでしょう。

褥瘡(床ずれ)が出来やすい条件

自宅で介護を受けている方、また介護をされているご家族であれば「もしかして・・」と心当たりがある方がいるかもしれません。高齢であり、寝返りも難しく、また食事が思うようにできなくなって痩せてしまったり、またおむつを使用しているような場合は褥瘡が発生する可能性が高いので注意が必要です。

特に骨が突出している部位は圧力がかかりやすくなっているためリスクが高くなります。赤みが出ているか、その赤みは褥瘡によるものかそうでないのかを注意深くチェックする必要があります。

  • 寝たきりの状態で、自分で寝返るなどの体位を変える行為が困難な場合。
  • 椅子に座った際に、自分で姿勢を変えることが困難な場合。
  • 骨が突出している場合
  • 関節が伸びない(拘縮)状態で固まっていて、関節が動かしにくい場合。
  • 食事が十分に摂れておらず、栄養状態が低下している場合。
  • 汗や尿失禁、便失禁などで皮膚が湿っている場合。
  • むくみなどで皮膚が弱っている場合。

褥瘡が出来やすい部位

褥瘡は体重で圧迫されることで血流が低下している部位に生じやすい「皮膚トラブル」です。どういったところが一番出来やすい部位かというと、皮膚の外側からゴツゴツとした感触がある骨の突出した部位が褥瘡が発生しやすいところになります。特にお尻の中央部にある「仙骨部」と呼ばれる部位は最も圧力がかかりやすく褥瘡になりやすいです。

褥瘡になりやすい部位

仰向けの場合

後頭部、肩甲骨部、背中、肘、仙骨部、かかと

横向きの場合

耳、肩、腸骨部、大転子部、膝、膝の内側、くるぶし

褥瘡の予防

褥瘡は、一度発生してしまうと治りにくく、悪化してしまうリスクがあります。そのため褥瘡が発生しないように予防することが大切になります。

体圧の分散

褥瘡を予防するには、骨突出部に圧力がかかり過ぎないように対処する必要があります。同じ体勢で過ごしていると体の一部に圧力が集中的に加わってしまいます。皮膚に負荷がかかる時間を短くし圧力を分散させた姿勢を保つことが重要です。

こまめな体位交換をしたり、エアマットやクッション、体圧防止寝具などを使用して体にかかる力を分散させましょう。これら褥瘡予防の福祉用具も介護保険が適用されますのでケアマネジャーなどに相談してみましょう。

栄養状態の改善

痩せている人は褥瘡が発生するリスクが高く、食事の摂取量が少なく、低栄養の方は褥瘡ができやすく、かつ治りにくいとされています。褥瘡を予防するためには、食べやすい食事の形態や姿勢などを工夫して、食事しやすい環境を整えることも大切です。近年では介護向けの栄養補助食品も市販されていますので使用を検討してみても良いのではないでしょうか。

皮膚の清潔

汗や尿、便などで汚染されていると褥瘡が出来やすくなります。おむつで覆われている臀部や下腹部の皮膚は汗や排泄物で蒸れやすい状態になっています。弱くなった皮膚は摩擦や圧力などの刺激によって傷つきやすくなります。下着やおむつは通気性の良いものを選び、洗浄やていねいな拭き取りを行って皮膚の清潔に努めましょう。最近ではドラックストアでも保湿クリームや排泄専用の拭き取りシートも市販されています。

発症した場合の対処法

軽症の場合

皮膚の赤くなっている部分を押した時に、白くならずに赤いままであれば褥瘡と判断して良いでしょう。こうした軽度の場合は「4.褥瘡の予防」でも触れましたが体圧の分散に心がけると共に、清潔保持を徹底することが有効です。清潔にして潤った状態を保つことで皮膚の再生が期待できます。

重症の場合

褥瘡が悪化して、皮膚が破れていたり、患部が「壊死」している場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。症状によっては壊死している部分を取り除く処置が必要となります。褥瘡の部分が化膿しているなどの感染が疑われる場合には抗生剤が処方されることがあります。

まとめ

褥瘡は悪化してしまうと治療が困難になるため、まずは「予防」することが肝心です。しかし在宅で介護を行うにしてもご家庭の介護力には限りがあることも現実です。訪問看護などの介護保険サービスで褥瘡に対するサポートも行われますが、場合によっては施設利用も検討し、介護者の方の負担軽減を図るのも良いかもしれません。

在宅介護は「マラソン」とも表現されます。介護を行っていく中で、家族の力だけでは難しい局面も当然出てくるかと思います。今回紹介した褥瘡も含め医療や介護の専門家のサポートを必要とする場合、介護保険にはこうした問題にも対処する多様なサービスも存在していますので、困っている場合には相談してみるのも選択肢と言えるでしょう。

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