サービス付き高齢者向け住宅とは
高齢者福祉施設の代表的なものとして以下の施設が挙げられます。
- 特別養護老人ホーム
- 老人保健施設
- グループホーム
身体的なこと、リハビリテーション、認知症対応など、それぞれの役割に特化した形態となっていますが、近年では有料老人ホームなど、利用者の新たなニーズに即した施設形態も増えてきています。
今回ご紹介するのは「サービス付き高齢者向け住宅 ※略称(サ高住)」と呼ばれるもので、厳密に言うと「公的施設」には分類されていません。近年増えてきているこの住宅は、いったいどのような役割を持っているのか詳しく解説します。
近年の高齢者の生活環境の変化
少子高齢化社会となった我が国は、「介護」という問題だけでなく、違う側面の課題も現れてきています。核家族化と言われて久しいですが、それに加えて都市への人口一極集中化も相まって、一人暮らし世帯、老人世帯が増加しています。
身の回りのことは自分ででき、元気に生活を送っていたとしても「家の管理」を行うことは高齢者にとって大変難しくなります。
- 屋内の掃除
- 庭の草むしり
- 家屋の確認・修理
住居を維持していくための活動は思っているより膨大で大変です。特に豪雪地帯においては冬の期間、屋根の雪下ろし・雪かき、更には灯油の購入等、普通に生活するだけでも沢山の作業が必要です。
高齢ではあるが介護は必要としない高齢者。それでも環境によって生活の継続が難しくなった方は、いったいどうしたら良いのでしょうか。
実はこうした状況にある高齢者の生活の場として新たに登場したのが「サービス付き高齢者向け住宅」なのです。
サービス付き高齢者向け住宅ってどんなことろ?施設とは違うの?
実は「サービス付き高齢者向け住宅」は厚生労働省単体で管轄するサービスではありません。国土交通省と共同して管轄するので、特殊な形態と言えるでしょう。
その理由は名称にもあるように「施設」ではなく「住宅」となっていることにありあます。『住まい』という観点から整備されているのです。
- 身の回りのことは自分で行えるけれども、大きな家屋の維持が難しくなった方
- 買い物や通院が遠くて大変になった方 など
上記の方にとってとても住みやすい環境となっています。
サービス付き高齢者向け住宅はバリアフリー環境であることは勿論のこと、自立している方が入居することを前提としているので、外出などの自由度が福祉施設と比べて高いのが特徴です。
また、同じ建物内にヘルパーステーションが併設されている住宅も多く、在宅の介護保険サービスを利用することもできます。介護の認定を受けた場合でも生活の継続が出来るように配慮がなされているからです。
住宅にもよりけりですが、生活相談・安否確認の他、有料のオプションとして掃除・洗濯・買い物代行他、服薬の管理、通院補助などの生活支援を行ってくれるところも多く存在します。
申し込み、利用料金など
入居の条件
サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は以下の通りです。
- 60歳以上の方
- 要介護認定を受けた40歳以上の方
またサ高住によっては、居住者と同居が可能な場合もあります。
- 入居者の配偶者(事実上の夫婦と同様の関係にあるものを含む)
- 60歳以上の親族
- 要介護認定を受けている親族
- 特別な理由により同居させる必要があると県知事が認定した者
利用料金
サービス付き高齢者向け住宅の多くは、アパートなどの民間の賃貸住宅と同様に賃貸契約を結びます。よって保証人も必要です。
費用は入居時に敷金・保険料がかかり、その後は月々に賃料を納めるという形式になります。なお、この費用はあくまで「賃料」となるので、介護保険サービス費用、有料オプションは別途となります。
自立していれば費用は賃料のみなので他の介護施設と比べ低額と言えます。
選ぶうえでの注意点
サービス付き高齢者向け住宅は他の福祉施設と比較し、建物数が多いので入りやすいと言われています。しかし、アパート選びと同様に立地条件も十分に検討してください。
周囲に病院やスーパー、金融機関など自身の生活に必要な機関があるかをチェックしましょう。
また、設備や環境、食事の内容・提供の方法も事前に詳しく知ることが大切です。
最近ではホームページ等で画像で確認も出来ますが、雰囲気を知るには実際に見学して確かめることが賢明と言えます。
これからの生活の場を選ぶことになります。自分の生活スタイルに合った後悔しない環境選びを行っていきましょう。